北島達也『ハリウッド式 THE WORKOUT - 分単位で自分史上最高の身体をつくる 脳と身体のコネクトメソッド』

ハリウッド式 THE WORKOUT - 分単位で自分史上最高の身体をつくる 脳と身体のコネクトメソッド -

ハリウッド式 THE WORKOUT - 分単位で自分史上最高の身体をつくる 脳と身体のコネクトメソッド -

鍛えるところは鍛え、そうでないところは鍛えない……メリハリをつけたトレーニングでメリハリのあるボディーになるべきだというのが著者の主張。わたしはメリハリのあるボディーよりは、全身がバランスよく鍛えられて思い通りに動かせる体操選手のような肉体が格好良いと思うのだが、ここは「バランス」の定義の違いだろうね。

大胸筋を鍛える前に、大胸筋の位置とか動きの感覚を理解することが重要で、そのための方法が載っていたのは凄く興味深かった。確かに、わたしのような非トレーニーには、どうやって大胸筋をピクピクさせているのか全く想像がつかないんだよなあ。

加藤洋平『組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』

組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学

組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学

発達心理学を学んだコーチ(著者の投影か)と、たまたまバーで出会ったコーチにコーチングを受けながら仕事を少しずつ好転させていくサラリーマン(当然読者の投影である)描いたビジネス小説。

ストーリーにすることの功罪というか、そもそもストーリー仕立てにしなければもっと薄くなったんじゃないかという気もする。ただ、この手の内容をすっと理解できるのはわたしが元・人事コンサルタントだったからという可能性もあるし……難しいなあ。

シェリル・サンドバーグ+アダム・グラント『OPTION B』

OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

  • 作者: シェリル・サンドバーグ,アダム・グラント
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログを見る
オプションAが制約条件を全く無視したベストな選択だとしたら、オプションBはいわば次善の策である。Aを採れるなら、文句なしにAを採用したい。しかしAはもう無理なのだ……そんな場合がある。その中で、どのようにオプションBを受け入れて未来を切り開いていくかを書いたのが本書である。著名なビジネスパーソンが書いているし(フェイスブックのCOO)、翻訳版が日経から出版されていることや体裁などからも判断しても、売り出し方は完全にビジネス書のそれである。しかし中身はもっとパーソナルなものである。OPTION Bを受け入れるための方法論が描かれているものではないし、複数あるOPTION Bをどのように探し出たり選んだりすべきかの方法論もない。シェリル・サンドバーグが夫を失ってしまい、そこからどのように立ち直っていったかを書いているだけで、普遍化・汎用化されたアプローチではないなと感じる。なんというか、受け取り方に困る本である。

山梨広一『3原則』

3原則 働き方を自分らしくデザインする

3原則 働き方を自分らしくデザインする

生産性だけではなく、生産性・こだわり・遊び心の3つでもって「しごと」を再定義していきましょうという本。わたしが著者と同じく(といってもマッキンゼーではないが)コンサルティングファームをバックボーンとするからだろうか、スッと頭に入ってきて「同意」という感覚はあるのだが、あまりグッと来るものがなかった。要は「当たり前」に聞こえるというか。

でも世の中を見渡すと、あまり当たり前でもないしなー。

難しいところです。

ポール・ウェイド『プリズナー・トレーニング』

プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

  • 作者: ポール・ウェイド,山田雅久
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
著者は元囚人で、23年間も服役したそうだ。しかもそのうち19年間は、アンゴラやマリオンといったアメリカでも有数の過去な監獄に収監されていた。監獄生活は極めてタフであり、強くなければ生き残れない。そこで著者は監獄の中でもできる自重トレーニングを徹底的に開発して、ひとつの体系(著者はキャリステニクスという言葉を使っている)としてまとめ上げた。それが本書である。

なお本書の原題は『CONVICT CONDITIONING(囚人のコンディショニング技術)』であり、著者はこのタイトルに相当な思い入れを持っているのだが、営業上の理由なのか、日本語版の書名は『プリズナー・トレーニング』となっており、刃牙で知られる板垣恵介のイラストが表紙に載っている。前者の書名についてはまあ仕方ないかという気もするが(コンビクトという英単語は日本人にあまり馴染みがない)、後者のイラストについては完全に失敗だと思う。

なぜか?

本書の一番の特徴であり主張は、自重トレーニング(自宅トレではない)だけで筋力トレーニングが可能であり、ダンベルやバーベル・各種マシンを使ったそれよりも有効であるというものだ。ダンベルやバーベル・各種マシンを使って鍛えた風船のように膨らんだボディービルダーの筋肉に価値はないというのが著者の主張なのである。しかし板垣恵介のイラストは、明らかに「風船のように膨らんだボディービルダーの筋肉」なのである……。

そもそも自重トレーニングは現在、一般的には「筋持久力トレーニング」とされているが、やり方を工夫すれば自重トレーニングでも相当な負荷をかけた「筋力トレーニング」を行うことができる。例えばワンアーム・プッシュアップ、ワンレッグ・スクワット、ワンアーム・プルアップなどは相当な筋力がなければ行うことはできない。ハンドスタンド・プッシュアップ(要は逆立ちでの腕立て伏せ)を片腕でやってのけるという神業については、世界でもまともにやれる人がほとんどいないということでアメリカでも厳しすぎると批判の対象になっているぐらいである。また、ダンベルやバーベル・各種マシンを使ったトレーニングというのは、要は自重ではない重りを持ち上げるというものであり、一部の筋肉を風船のように膨らませる代償として、トレーニーの関節や腱には過剰な負荷がかかり、怪我や身体的不調と付き合っていかねばならない。またマシンを使ったトレーニングは筋肉を分離して鍛えるものだが、肉体というのは結局のところ総合的に筋肉を動かしてパフォームするのだから、別々に鍛えても意味がない。安全に負荷をかけつつ全身を鍛えるのが自重トレーニングだと著者は述べている。

本書では、プッシュアップ、スクワット、プルアップ、レッグレイズ、ブリッジ、ハンドスタンド・プッシュアップという6つのトレーニングを「ビッグ6」として、その6つにそれぞれ10段階のトレーニング法を設定している。どのトレーニングもステップ1は(怪我をしている・していた人を除けば)誰でも簡単にやれるものである。しかし次のステップに進むのをグッと堪えて、物足りないなというぐらいのステップをじっくりこなしていくことを著者は薦める。それは次のステップに進んだ瞬間にできなくなって、無理にこなそうとして怪我をしたり、モチベーションを失ってしまうことを避けるためである。自宅で自重でトレーニングするというのは孤独な作業だ(監獄の中はもっと過酷だっただろうが)。無理をし過ぎず、誰でもやれるようなトレーニングも、フォームに気を配り、反動を使わず、完璧にこなしてから次に進む。そうすると次のステップに進んでも全然できないということはなく、ステップを着実に進めることができる、というのが著者の信念だ。そしてどのトレーニングも最後のステップ10では、常人ではとてもできないレベルのトレーニングになっている。すなわち、ワンアーム・プッシュアップ、ワンレッグ・スクワット、ワンアーム・プルアップ、ハンギング・ストレート・レッグレイズ、スタンド・トゥ・スタンド・ブリッジ、ワンアーム・ハンドスタンド・プッシュアップの6種だ。常人ではひとつもこなせないだろうが、本書曰く、アメリカでは腕を鍛えるのが流行っており、ワンアーム・プッシュアップだけができるという人はそこそこいるようだ。しかし6つ全部できる人はほとんどいない。

わたしが本書のアプローチで気に入ったのは、あえて軽いステップから我慢してやり続けるということだ。もっと高いステップを1回や2回はやれるのだが、あえて我慢して低いステップでトレーニングをした後に高いステップに挑戦する時のことを、著者は「モチベーションが沸騰している」と表現している。その数ヶ月前、1回や2回を無理してやれたであろう肉体は、低いステップで我慢してやったことで、高いステップをこなすための準備が肉体にも精神にも充満している。準備が整っているということだ。自分はやれるだろうという確信のもとに、1回や2回ではなく、初心者の標準どころか中級者の標準までもクリアしていく。しかしまた、そこで完璧に自分の体をコントロールできるまで、そのステップでトレーニングを繰り返し、次のステップの準備を続けていくのだ。このサイクルを続けていけば、いつしかステップ5やステップ6に到達する。腕立て伏せで言えばステップ6はクローズ・プッシュアップであり、プルアップで言えばステップ5がフル・プルアップである。腕立て伏せも数回なら誰でもできるが、体幹を意識しながら正しくこなすのは容易ではない。同様に、フル・プルアップを正しいフォームと無反動で数十回やれる人が果たしてどの程度いるだろうか。しかし、これでもまだ中盤なのだ。

なお、6つのトレーニングで良いのかという問いに対して、著者は基本的にはこれで良いと回答している。6つより多いと手が回らないし、6つより少ないと鍛え方にムラが出る。ベースはビッグ6のステップを着実にこなしていくことに尽きる、しかし飽きても良くないので、変化をつけるためのバリエーションを本書ではたくさん載せている。

本書の理想は、ボディービルダーの体ではない。しかし最近流行りの細マッチョかと問われると、それもまた全然違うのである。わたしの理解では、本書の理想はトップクラスの体操選手の肉体に近いと思う(本書に出て来るモデルを見る限り、日本人の体操選手よりはもう少しマッチョだけどね)。本書でも何度か体操選手の比喩が出てくるのだが、体操選手の肉体は、肩や背中の厚みが実は物凄い。胸や腹といった体幹周りも凄い。あれをちゃんと見て「細マッチョ」という人はいないだろう。しかしボディービルダーのそれともちょっと違う。体操という競技の特性上、彼らは自重トレーニングを徹底的にやっているようなものなので、自重に耐え切れるだけのああいう筋肉がつくのだと思う。わたしも体操選手の肉体は格好良いなあと常々思っていたので、本書はビッと来た。まああとは実践あるのみ。ステップ1からね……。

大川慎太郎『不屈の棋士』

不屈の棋士 (講談社現代新書)

不屈の棋士 (講談社現代新書)

わたしの長年の友人が将棋にハマっているとのことで、紹介されて読んだ本。

確かに売れている本ではあるのだが、観戦録や戦術書ではなく、AIと将棋の関係に迫ったインタビュー集というのがなかなか渋い。

個人的には、別に将棋ソフトが人間の棋力を抜いたところで何の落胆もしない。人間はミスをする、そして体調や心理状態が勝負に影響する。それが面白いのではないか。例えばマラソンだって、単に心肺機能やスタミナの勝負をしたいだけなら、ペースメーカーをつけて、一人ずつベストな状況で走れば良いのである。しかしそうはしない。ベストなペースでベストなタイムを出せばそれだけで勝てるかもしれないのに、42.195キロという極限の戦いを乗り切る可能性を少しでも上げるために、相手を揺さぶって自分が有利に立とうとする。そういう駆け引きがわたしは面白い。また、たとえ車の方が速くても、人間の力の限界を見せようとする100メートル走にわたしは痺れる。要は、わたしは「車や原付の方が速くてもボルトの偉業には価値がある」「ヒグマや戦車の方が強くても、人間同士の柔道や総合格闘技の鬼気迫る攻防は面白い」と考えるタイプなのだ。

しかし将棋ファンや棋士としてはそうではないようで、この何年か、様々な議論が繰り返されてきたし、その結果として新たなファンを獲得すると同時に、これまでのファンが離れてしまう事態にもなっているようだ。そうしたことを踏まえ、ある種の危機感というか、棋士や将棋ファンは将棋ソフトとどう向き合っていけば良いのかを、現役棋士へのインタビューを素に掘り下げようとしている。

わたしの考えは上記の通りで、本書を読んでも変わることはないのだが、棋士の様々なスタンスや葛藤には、色々と考えさせられた。非常に面白い本である。

ケンドー・カシン『フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで』

フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで

フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで

ケンドー・カシンは現役プロレスラーでありながら早稲田の大学院に通い、その後大学非常勤講師になったのだが、別に教育論などを述べた本ではない。もう純粋に、ケンドー・カシンの半生をインタビュー形式で明らかにした本である。わたしはケンドー・カシンの大ファンなのだが、大ファンだけに「まともな本ではないのではないか」と懸念しながら購入していた。カシンの言動は非常に破天荒で、プロレス界きっての問題児と呼ばれているからである。しかし思っていたよりも真面目に語ってくれている。

とはいえ、そこはカシンである。真面目と言っても、どこか人を食っている。例えば、本書のインタビューの冒頭はこんな調子である。

――永田裕志選手の自伝は、永田さんが病魔と闘う少年を「俺も頑張るから、君も頑張るんだぞ」と元気づけ、その後、試合に負け続ける永田さんを、少年が「今度は僕が永田さんに勇気を与える板です」と励ましたという感動的な話から始まるのですが、カシンさんにはそういうかたはいないのですか?

 僕は永田くんと違って、そのようなファンには一度も出会ったことがございません。ただ、創作することはできますが?

――いえ、そういうわけにもいかないので……。

基本的にはケンドー・カシンのファン・グッズだが、色々あけっぴろげに語っているので、プロレスファンや格闘技ファン全体に薦めることもできるかな。極私的には必読。

侍留啓介『新・独学術』

新・独学術――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法

新・独学術――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法

副題は「外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法」とある。

記載の大半を占めるのは、大学受験用の参考書を買って独学しなさいということと、どの参考書をどう使っていけば良いかということである。

まあ冷静に考えると、わからんでもない。確かに大学受験用の参考書は、わかりやすさも効率も、一般の教養書以上に徹底して合理的でなければ、受験生の支持は得られない。

椋木修三『超高速勉強法』

超高速勉強法

超高速勉強法

「精読」「熟読」の名の下にちんたら勉強するのは止めて、流し読み&反復で、何度もトレーニングすべし。

一言で書くとこれだけなのだが、まあ確かにそうかなと思う。わたしもよく、わからないのでついつい「沈殿」するように勉強することがあるが、わからないことはわからないので、さっさと色々な本や論文に当たっていく方が、結局は理解度が高まっている。(資格勉強は全然やらないので違うかもしれないけど)

読書猿『アイデア大全』

アイデア大全

アイデア大全

思考法や発想法を集めて解説した本。昔『考具』とか『アイデアのつくり方』といった本があったが、それをもっと徹底した感じ。質も量も十分で、発想法に関する本は一旦これでファイナル・アンサーとして良いのではないか。発想するために大事なのは、発想法の本をいくつも読むことではなくて、実際に発想を繰り返してみることである。

米原万里『打ちのめされるようなすごい本』

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

ロシア語の同時通訳者が書いた本。わたしは寡聞にして全く知らなかったが、エッセイストとしても有名らしい。ただあまりグッと来る感じではなかったなあ。

Shin『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた7つの仕事術』

コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術

コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術

最近ブイブイ言わせているブログの書き手が出版した本。

戦略コンサルに入ったものの、コンサルどころかフツーの会社でも役に立たないレベルだった著者が、1年発起して成果を出すまでにやったことを公開……みたいな感じ。まあまあかな。

小松貴『フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学』

フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

この人は凄い。決して超エリートというわけではないのだが、子供の頃から生き物が大好きで、大学時代も毎日毎日大学近くの裏山で朝から晩まで生き物を観察し続けて、(マナーの悪い人がたくさんいたせいで)余所者に厳しい地元民の信頼も勝ち取り、まさにフツーの裏山で幾つもの発見をして論文に繋げていく。そして今は好蟻性昆虫という非常に興味深い昆虫の生態を研究しているのである。

この人にも、『バッタを倒しにアフリカへ』を書いた前野ウルド浩太郎と同じくポスドクの問題が厳しく横たわっているのだが、この人こそ大学で研究すべき逸材である。なぜなら、この人は(おそらく)我々のようなリーマンとしてはバリューを発揮できないであろうから。まさに適材適所と言って良い。こういう人が気持ちよく生きていける、「遊び」のある世の中であってほしい。

ペーター・ヴォールレーベン『樹木たちの知られざる生活』

樹木たちの知られざる生活──森林管理官が聴いた森の声 (早川書房)

樹木たちの知られざる生活──森林管理官が聴いた森の声 (早川書房)

樹木には心があるというややトンデモ感のある主張なのだが、まあ著者的にはトンデモのつもりも異端のつもりもない。「事実あるんだから仕方ないだろう」という泰然とした感じである。正直どうなんだと思わないでもないが、まあこの手のスピリチュアルな論調に抵抗がなければ面白いのではないだろうか。

前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

先日購入した『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』を買ったら、これまたリコメンドされたので購入。アフリカにおけるバッタの異常発生は、それこそ人類の命に関わる大問題なのだが、アフリカは厳しい気象条件・治安情勢の土地であることもああって、現地でバッタの研究をしている人はあまり多くない。しかし著者は、デリケートなポスドク問題の最中、あえてアフリカでバッタの研究を見出すことで、自分の研究者キャリアにも世界のバッタ被害にも活路を見出そうとしている。いわば逆張り精神だね。

バッタの話が文句なしに圧倒的な面白さなのに対して、ポスドクの問題はやや卑近な話題である。しかしポスドク問題があればこそ著者もここまでリスクテイクしてアフリカでバッタ問題に取り組んだわけだし、その辺は難しいなあと思った。