- 作者: 田口ケンジ
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姉弟漫画であり、お掃除漫画。そこ攻めるかーという。
でもけっこう面白い。
姉弟漫画であり、お掃除漫画。そこ攻めるかーという。
でもけっこう面白い。
例えば、エルフは通常(つまり本作以外のファンタジー作品一般でも)数百年は生きると言われており、しかも概ね、人間からすると若い姿のまま歳を重ねている。しかし本作では、人間には単に「若い姿」としか見えていないものの、別の種族からはババアにしか見えないとか、いわゆる加齢臭が酷いといった設定が付加され、エルフの風俗は人間以外からは低評価となっている……といった具合。
アイデア・設定ありきの漫画で、早晩ネタ切れになることが予想されるが、今のところはけっこう面白い。1巻で完結というわけではないようだが、3巻ぐらいまでは続いてほしいなあ。
ギャル(あだ名・ギャル子)とオタク(あだ名・オタ子)と令嬢(あだ名・お嬢)の女子高生3人によるガールズトーク漫画。といってもクラスの男子や、ギャル子・オタ子・お嬢の家族なども出てきており、必ずしもガールズトークだけというわけではない。またギャル子は見た目がギャルなんだけど中身はけっこう真面目という、非モテの理想(のひとつの類型)を詰め込んだ設定となっており、クラスの男子はけっこうギャル子に好意を持っている。
原則1話完結なのだが、過去のやり取りや、過去のエピソードで判明した設定は引き継いでいるので、ストーリー漫画っぽい雰囲気もあり、続きはけっこう楽しみ。
良い意味で少年ジャンプらしくない、「キャラクター」ありきや「エピソード」ありきではなく、「世界観や設定」ありきのSFである。
なお4巻のラストは強烈な引きで終わっており、続きが気になって眠れない。
凄く綺麗なんだが、思春期の息子(主人公)の頬にブチュッとキスをするなどボディタッチが多く、何となく違和感のある母親。妙に存在感のある母親に対して、(仲が悪いわけでもなく会話もしているのに)妙に存在感のない父親。それを察してか従兄弟の母親は「主人公の母親は過保護だ」と陰口を叩き、従兄弟は無邪気にも主人公に対して軽口の一環として過保護呼ばわりをする。しかし主人公と従兄弟の仲が悪いかと言えば決してそんなことはなく、むしろ毎週末、従兄弟と従兄弟の母親(主人公の母親にとっては義姉)は主人公の家に遊びに来ている。何となく奇妙で違和感のある設定である。
漫画の作り方も特徴的で、いわゆるモノローグが一切ない。また、吹き出しの外にあえて手書きでツッコミじみたコメントをつけたり、追加のセリフをつけたりという手法も一切使われない。静かな画面で、淡々としたストーリー展開。何も問題はないはずなのだが、どこか息苦しさを覚える。これを「穏やか」であるとは形容しないだろう。
読みながらひとつの言葉が頭をよぎった。
不穏。
そう、一言で書けば、この漫画には不穏さが作中に充満しているのである。
まだ「狂っている」とまでは言えない。
しかし、膨らんだ風船に空気が入り続けているような……。
いつ爆発するんだろうと手に汗を握りながら読んでいたが、1巻の終わりで、まず1つ目の爆弾が爆発する。
さて、わたしは今「まず1つ目の」と書いたが、これは意図的である。なぜなら不穏な空気は依然として作中に漂い続けているからである。
続きが凄く気になる。
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文化系の(しかもマイナーな)部活漫画が最近けっこう増えている気がする。流行りなんだろうか。これも面白いのだが、どちらかと言えば4コマ漫画的な面白さ。
1〜3巻の感想でも書いたが、作者は果たして、読者をどこに連れて行こうとしているのだろうか? 物語の全体像はイマイチよくわからないのだが、読んでいてとにかく心が揺さぶられる。
独特の面白さがあって、なごむ。
物凄いポテンシャルを持った作品だと思う。
あとは人気が出て、続くかどうかだなー。
11巻まで来ても面白さは相変わらずなんだが、やっぱり伝説級だけあってトラブルに巻き込まれちゃうのかなー。この巻はけっこうハードなことになっている。
お下劣? これは絶対に違うな。
下世話? これは近いかも。でもぴったり来る日本語がない。
ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS- 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)
まず画力が超絶で、堀越耕平の絵柄をかなり再現しているうえ、オリジナリティがある。
そして画力以上に設定やストーリーが良い。わたしは本編を読んでいると、迷惑ばかりかけている主人公(デク)や周囲への気遣いゼロなライバル(爆轟)のキャラクター造形に非常にストレスを感じ、ヒーローとは何か、ヒーロー社会とは何かといったことをもやもやと考えてしまう。しかし本作にはそうした矛盾はない。人助けとは資格ではない。資格が必要だから資格を取るという発想ではなく、自分が必要だと思うことを陰ながらやるという偽悪的な設定。こちらの方が本編よりもスッキリ来るのである。
また「無個性」に対しての捉え方もサイコーだ。本編の主人公は、無個性であることでイジイジして没個性と化してしまい、しかしヒーローへの憧れをたまたまオールマイトに認められ、裏ワザ級の個性を譲渡してもらうのだ。一方、スピンオフである本作の主人公は、非常にしょぼい個性なのだが、その個性を使ってやれることをやろうとしている。また本編のオールマイトに相当するスピンオフの主人公の師匠役は、実は無個性だ。無個性だが、とにかく体を頑丈に鍛えて、個性を持った人間と渡り合っている。
正直、ヴィジランテの登場人物たちの方がかっこいいのである。
早くヴィジランテ3巻が出ないかなー。
僕のヒーローアカデミア すまっしゅ!! 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)
僕のヒーローアカデミア すまっしゅ!! 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)
スピンオフがオリジナルを超えられないという典型例で、要は単なるファングッズになってしまっている。二次創作と言っても良い。
それでも面白いから買っているのだが、ヴィジランテを読んじゃうと、もうね。
作者は是非オリジナルでやってほしい。
僕のヒーローアカデミア 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)
僕のヒーローアカデミア 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)
今のところ主人公は静かなんだけど、これは必ずフリで、主人公はまた必ず無茶をして、無理をして、結果感謝もされるんだけど他人に迷惑をかける。
それが本当にヒーローなのか、いやそもそもヒーローとは何なのだという問いは、けっこう難しい。
ヒーローを養成する、ヒーローに資格を与えるとは何なんだということでもある。人助けには資格がいると。作者は「要らない」という強い信念の下、主人公に無理をさせているのだろう。しかし事実として、アマチュアが現場をぴょんぴょん飛び跳ねることで迷惑がかかっている。今回も、主人公やそのクラスメートは「インターン」というかなり無理のある設定で事件に関わっているが、関わっちゃいかんでしょ。
面白いんだけど、根本的な設定に矛盾を感じるんだよなー。
このまま続くと、完結までにはまだ相当かかりそう。