ポール・ストラザーン『90分でわかるプラトン』

「90分でわかる」シリーズの哲学者シリーズ第1弾である。

さて、いきなり話が脱線するが、「プラトニックラブ」という言葉がある。「肉体関係を伴わない精神的な愛」を意味する――いわゆる純愛って奴ですな――のだが、意外にも中学生でこの言葉を知る者は少ない。これくらいの単語は常識の範疇だろうと俺は思っていたのだが、これは流行語の類なのだろうか? それとも最近の中学生の知識レベルに問題が?

「プラトニック」とは、プラトンから来る「プラトン的」を意味する言葉なのだが、プラトンと言えば、実は美少年が大好きな人だったらしい。男色ですな、いわゆる。そのことを知ると、プラトニックラブってかなり嫌な言葉だよなあと思う。プラトニックラブ。純愛。プラトニックラブ。ぬわぁ。

そう言えば、ノアの箱舟で有名なノアは、息子のハムに犯されてしまっている(当然ハムの一族は呪われた一族となる)し、織田信長は美少年の森蘭丸を小姓として召し抱えていた。プラトニックラブは歴史のいたるところに存在していたのだなあ。プラトニックラブって恐ろしい……と書いてはみたが、『90分でわかるプラトン』自体と今回の内容は無関係だ。この本には背徳の香りはないので、安心して読んで下さって構わない。プラトンの考えは非常に面白く刺激的である。少し本文を引用してみよう。

では、プラトンにとって、エロスとは何だったのか? それは善を求める魂の衝動に他ならない。

なるほどなるほど、確かにとても刺激的であるなあ。プラトンにとっての愛(エロス)とは、プラトン的な愛、つまりプラトニックラブとは「善を求める魂の衝動」だったのか。んん? ナニやら背徳の香りが……?