鷲田小彌太『現代思想がわかる事典』

内容は大きく3つに分かれている。第1部では現代思想を代表する「構造主義」について、その出現の経緯から、なるべく小難しい言葉を使わずに説明している。第2部では、思想上のテーマ――と書いているが、要は「民主主義」や「エコロジー」や「フェミニズム」などといった現代を代表するキーワードについて詳しく論じている。哲学や現代思想に馴染みのなかった人にも読み易いだろう。第3部では、吉本隆明や今村仁司・山口昌男・山崎正和をはじめとした、日本の現代思想の中心人物に焦点を当てている。なかなか興味深い情報も詰まっているが、何しろ非常に長い。無理に通読しようとすると途中で挫折してしまうかもしれないので、好きなところから拾い読みするスタイルで行くのが良いと思う。