インキュベ日記

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石原慎太郎『わが人生の時の時』

わが人生の時の時 (新潮文庫)

わが人生の時の時 (新潮文庫)

世界に誇る最高傑作だと『作家の値うち』に書いてあったので、読んでみた。今となっては「石原慎太郎」と言えば政治家としての顔の方が有名だが、石原慎太郎は元来、社会に対するアクチュアリティを失うことのない「行動する作家」なのである、らしい。確かに巧い。大自然と対峙して死と直面した一瞬、そして一瞬の生の輝きを、政治家としての石原慎太郎からは予想もつかない筆致で表現し得ていると思う。