高橋源一郎『一億三千万人のための小説教室』

NHKのテレビ番組「ようこそ先輩」での小学生相手の話がベースになっているから、噛んで含めるような話し方になっているのだろうが、やたらと読点が多くて、読んでいて非常にイライラする。それとも高橋源一郎は現代詩に造詣が深いから、何かそういった文学的な狙いでもあるのだろうか? もしそうなら、詩情を解する人は味わい深く読めるのかもしれないが……。イライラして、きちんと読む気にどうしてもなれなかった。結局わかったことは「小説はむやみに書き始めず、タイミングを見計らって書き始めろ」ということと、「先人を模倣しろ」ということくらいだ。俺には読む価値のない本だった。

ちなみに、誤解を防ぐために書いておくが、俺は別段「小説を書きたい」と思っているわけではない。文章の読み方や書き方を上達させたいとの思いから、この種の本を意識的に手に取るようにしているだけである。