藤原和博・東嶋和子・門田和雄『ロボットと生きる』

今までの学校教育においては、「国語」「英語」「数学」「理科」「社会」「音楽・体育・美術・技術家庭」といった各科目は情報処理力の養成に偏重していた面が強かった。しかし、藤原和博の掲げる[よのなか]科においては、それぞれ「コミュニケーションするチカラ」「外国人ともコミュニケーションするチカラ」「ロジックするチカラ」「シミュレーションするチカラ」「ロールプレイングするチカラ」「プレゼンテーションするチカラ」という、狭義の学力を超えた(というか狭義の学力を土台にした)主体的なチカラへと捉え直されていく。情報処理力ではなく、情報編集力なのである。

本書と、昨日までの3日間で読んだ『[よのなか]教科書 英語――自分を語る英語術』と『[よのなか]教科書 国語――心に届く日本語』と『[よのなか]教科書 数学――数学脳をつくる』に加え、宮台真司と一緒に書いた『よのなか』及び『ルール』で、藤原和博の[よのなか]科の教科書シリーズは一通り揃ったことになる。どれもこれも非常に興味深い本だし、非常に興味深い試みである。藤原和博の教育改革はぜひ応援したい。ただ、本書は中学生にはちょっと難しすぎるような気もする。