大前研一『東欧チャンス』

東欧チャンス (PATHFINDER (5))

東欧チャンス (PATHFINDER (5))

ここ数年、大前研一中国ビジネスに関しては積極的な発言を繰り返していたし、それを受けてかどうかは知らないが、近年、BRICs(ブリクス−ブラジル・ロシア・インド・中国)を初めとした途上国でのビジネスの将来性が非常に注目されている。大前研一の提唱するボーダレスワールド化が進む中、高い教育と安いコストを兼ね備えた人材を提供できる途上地域へのビジネスアウトソーシングがトレンドとなっているためである。
その中で、まだBRICsなどと比べるとそれほど注目されていない(と俺が思っている)地区が、中・東欧である。本書では特にハンガリーチェコポーランドを中心的に取り上げて論じている。
中・東欧はノーマークだったし、拡大EUの情勢も混沌としてきた中、中・東欧のビジネスチャンスが一体どうなるのか、まだ俺には何とも判断がつかない。しかし先進国に劣らぬ教育レベルとコストの安さを中・東欧地域は兼ね備えており、ホワイトカラー人材に関しては充分な競争力を兼ね備えている。それに一時期もの凄い勢いで流行った中国ビジネスが、政治問題・歴史問題で非常に緊迫化してきた。中国リスクを避ける意味でも、中・東欧に注目するのは有益であろう。
ちなみに大前研一の本では、ほぼ必ず、巻末に自分のビジネス(ビジネス・ブレークスルー、アタッカーズビジネススクール、ボンドMBA経営管理者養成プログラム等々)の紹介ページを儲けている。で、今回、「ビジネス・ブレークスルー大学院大学」の紹介ページがあった。通学でなく沿革教育のため、2年間で250万を高いと見るか安いと見るかは微妙なところだが、興味はある。しかし大前研一の開発したプログラムは数が多すぎて、しかもそれぞれがよく似ているので、実際どれが良いのかよくわかりませんなー。