梅田望夫『ウェブ進化論』

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

一時期フォーサイトという雑誌を定期購読していたときに、著者のことを知った。著者はフォーサイトで連載を持っているのだが、1年以上にわたりグーグルの革命性を執拗に語り続けていたので、かなり印象に残っていた。著者の文章が好きだったというのもあるし、グーグルの存在が妙に気になっていたというのもある。
本書は、フォーサイトの連載も参考にしつつ、グーグルやブログ・ロングテール・Web2.0・オープンソースといったインターネットを取り巻く現象に触れ、インターネットとリアル社会の交差する新しい世界の到来について、オプティミズムを失うことなく述べている。
グーグルがそれほどに新しい価値を提供してくれる存在なのか、正直なところ、まだ完全には理解できていない。しかし少なくともグーグルのような存在のような企業が、俺の生活を今までよりもっと便利にしてくれることくらいはわかる。今後グーグルの存在が世界を変え得るほどの「知」の再編成や再配分を引き起こすこと、もう既にジワジワとそれが起こりつつあることも、自らの体験と照らし合わせても、おぼろげながら理解できる。インターネットに詳しい人と読み合わせをしたい本である。しばらくは手元に置いておくことになろう。
ちなみに著者は、はてなの取締役になり、はてなダイアリーも始めた。