『E.T.の住む星 衛星ブルームーン』

E.T.の住む星 衛星ブルームーンAPS-129 [DVD]

E.T.の住む星 衛星ブルームーンAPS-129 [DVD]

地球外生命は絶対に存在すると考える一流の天文学者や生物学者や地質学者などが集まり、空想ではあるが科学的根拠に基づいて地球外生命をシミュレーションした、イギリスのBBCだったかのテレビ局が作ったドキュメンタリー。何でも今後10年以内には超巨大な望遠鏡が宇宙に打ち上げられて、何光年も離れた宇宙の星を観察しようとするプロジェクトがスタートするらしく、その意味でも夢のある企画となっている。このドキュメンタリーは「惑星オーレリア編」と「衛星ブルームーン編」の2作のDVDが発売されており、本作は後者である。ちなみにAmazonでは「惑星ブルームーン」と表記されているが、衛星が正しい表記である。
地球から50光年ほど離れた宇宙で2つの太陽の周囲を回る、地球の1000倍もある大きな惑星。これはガス惑星で、生物の住める星ではない。しかしこの惑星の周囲を回る衛星(地球で言う月)には、温暖な気候に加えて適度な大気と水があり、多様な生物が息づいている。ただし地球に比べると大気の密度が異様に濃い上、酸素が30%もあり、当然ながら地球生物とは異なった進化を遂げている。特に興味深いのが、生物の巨大化である。濃い大気のおかげでクジラのような大きな生物でも空を飛べるのである。また1000メートルを超える木々の群れが生命の連鎖の中心的な位置付けを果たしている。この植物は、地下から水を吸い上げるのではなく、雨水を蓄えるボウルのような器官を木の上部に持つことで、1000メートルもの巨木でも水を隅々まで行き渡らせることが出来るのだ。
まあ、これらの生物は結局のところ想像の産物かもしれないが、『フューチャー・イズ・ワイルド』にも通じるワクワク感がある。知的好奇心を刺激するという意味だけでも純粋に面白い。ちなみに日本語のナレーションは渡辺徹