今村仁司『近代性の構造』

近代性の構造 (講談社選書メチエ)

近代性の構造 (講談社選書メチエ)

前日の『ヨーロッパ近代の終焉』と同様、受験生時代に予備校講師から推薦されて購入したもの。教会の鐘楼に象徴される前近代的な時間概念とは、朝昼晩や春夏秋冬が繰り返される、過去と現在のみが存在し未来の存在しない「円環時間」である。一方で「時計」が生み出されることにより時間の概念は「連続時間」となり、未来の概念が生まれ、近代が始まる――といった指摘を読み、「なるほど!」といたく得心したものだった。