『スターバックス大解剖』

俺は元々カフェや喫茶店に行くことはほとんどなかった。コーヒー1杯に300円も400円も出すのは馬鹿らしいし、喫煙しないのでタバコを吸う場所も必要ないし、時間を潰すだけのために数百円も出したくない――と思っていたのである。しかし就職を機に東京に来て考えが変わった。その土地に明るくないと、ちょっと休む場所やトイレが意外に見つからない。そのときカフェがあると便利だし、落ち着ける。中でもスターバックスは良い。禁煙だし、店員の対応も素晴らしいし、オシャレなだけのカフェだと思っていたが、実はコーヒーも他のカフェに比べてけっこう美味しいように思う(これは味オンチの俺の評価なので自信はないけれど)。
本書はムック本ということもあり、深く突っ込んだ内容は乏しい。その気になれば十分にウェブで調べられる内容であろう。俺の場合は出張の新幹線で読むのにちょうど良いレベルだったので、特に不満は無いが、まあいわゆるファングッズである。スターバックスのことについて詳しく知りたいなら、他の本やウェブの方が良いように思う。企業理念や店員のノンマニュアルについてなど、もっと掘り下げた記事はありそうなものだ。ただ、コーヒーのカスタマイズの記事は面白かった。俺はただ飲んでただけなので、ミルクを豆乳や低脂肪乳・無脂肪乳に変えられるなんて全く知らなかったのである。
ところで、ご当地マグカップとご当地タンブラーの紹介も(根がコレクター気質ということもあり)かなり惹かれる。今スターバックスは全国666店舗あるらしく、一部か全部か知らないが、札幌・仙台・新潟・長野・茨城・埼玉・東京・六本木ヒルズ・千葉・横浜・静岡・金沢・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・高松・福岡・大分・鹿児島・沖縄のご当地マグ&ご当地タンブラーが紹介されている。俺は今、東京に住んでおり、出張で新潟・茨城・埼玉・千葉・横浜・静岡・金沢・名古屋には行ったことがある。しかも関西が地元で、広島は生まれ故郷。四国・九州・沖縄を除くと、かなり集めるチャンスがあった。しかし俺は来月から別の会社で働くことになり、地方出張の機会は激減する。今思えば、ちょっともったいなかったかもなあ。