鈴木克明『教材設計マニュアル 独学を支援するために』

教材設計マニュアル―独学を支援するために

教材設計マニュアル―独学を支援するために

インストラクショナルデザイン(ID)という考え方で「独学を支援するプリント教材」を作ろうとする本。中原淳 編著+荒木淳子+北村士朗+長岡健+橋本諭『企業内人材育成入門』の巻末のブックガイドで紹介されていた。非常にわかりやすく、そして順序立てて説明されているので、教育工学だのインストラクショナルデザインだのが別にわからなくても読める。学校教育だけでなく、企業研修の設計においても、何度も参照できる本であろう。ちなみにインストラクショナルデザインとは「さまざまな環境で最適な効果を上げる教育方法の設計」というくらいの意味らしい。
目から鱗だったのが「入口と出口のテストを先に作ってから中の教材を作る」という点。入口でテストをやらせて合格点が取れるようなら、その教材をやらせる必要はない――やべえ、全くその通りだ。そして何を学ばせたいのかを明確にして、先に出口(つまり学習到達度を確認する)テストを先に作ってから、中の教材を作るべきだ――という主張も、確かにその通りだと思う。恥ずかしながら今まで全くそのように教材を作ったことはなかった。