中島崇昴+本間正人『わたしが会社を変えるんですか? AIの発想で企業活力を引き出したリアルストーリー』

ビジネスケースと解説が載っている。面白いのは、コンサルを上手く活用できに一旦コンサルを切って「自分たちでやる」という結論を出すことと、その後さらに、コンサルに振り回されず自分たちのやりたいことをやるために、コンサルを活用するあたりだ。ここを本書では「コンサル依存」から「コンサル活用」と書いている。
誤解されるかもしれないが、俺は「コンサル依存」は必ずしも悪いことではないと思う。事業会社で働く方はルーティンワークも多いが、それだって会社全体の視点で考えれば、別にクリエイティブ性の高い仕事やプロジェクトワークと比して価値の劣る仕事ではない。コンサルティング会社を頼まなきゃならない場合というのは、例えば「俺たちが一体どうなれば良いのか全然わからないけれども、とにかく現状を何とかしたいんです」という自体も多々あるのではないだろうか。これは本書の主張だとコンサル依存になるだろうが、単純作業を代行会社やインド・中国にアウトソースするのと同様に、考える仕事をコンサルティング会社にアウトソースする、と考えれば良いだけだと思う。それに本書が書いているような、内容を整理させるためだけにコンサルティング会社を活用するって、もったいないと思うんだよな。