『モンキービジネス 2008 Spring vol.1 野球号』

モンキー ビジネス２００８ Spring vol.１ 野球号

翻訳家の柴田元幸が責任編集を務める雑誌の創刊号。野球号と銘打っているように、本書の巻頭は、柴田元幸と小川洋子の野球に関する対談である。別に文学に関する対談で良いのではなかろうか！　しかも日本屈指の翻訳家だけあって、ポール・オースターとのフランクなインタビューを実現しているのだが、その内容が野球限定。ポール・オースターに松井秀や松井稼や松坂や岡島や新庄や伊良部について語らせているのである。何たる贅沢！
あと「古典」と「古典についての解説やエッセイ」を一緒に掲載するという試みは実に面白い。今号では尾崎翠「第七官界彷徨(抄)」の冒頭部分を掲載し、その後に続けて川上未映子「第七官界で、命がけで遊ぶ」を載せている。川上未映子は可愛いだけじゃないかと食わず嫌いをしていたのだが、少なくとも「第七官界で、命がけで遊ぶ」は面白かった。でも可愛くて文章も巧くて歌も巧いって反則だと思います、ええ。