冨山和彦『指一本の執念が勝負を決める』

指一本の執念が勝負を決める

指一本の執念が勝負を決める

著者は、東大法学部で在学中に司法試験に合格し、ボストンコンサルティンググループを経てコーポレートディレクション(Corporate Directions, Inc./CDI)を立ち上げ、CDI代表取締役まで務めた後、産業再生機構のCOOとして41社のターンアラウンドに尽力する。産業再生機構が役目を終えて解散した現在は、経営共創基盤(IGPI)という会社を立ち上げてターンアラウンド業務に従事している。その間にスタンフォード大でMBAも取得している。あまりに輝かしいキャリアであり、典型的な偏差値エリートだと早合点してしまいそうだが、さにあらず。
まず帯が良い!

ガチンコ勝負で
プロフェッショナルをめざす
リーダーに必要なのは
「ストレス耐性」と
「胆力」だ!

ガチンコ勝負でストレス耐性で胆力――と来れば、何だかロジック無視の単なる根性論だと思われそうだが、しかしそうではない。結局のところ、血の流れるビジネスの現場は論理と合理だけでは動かない。感情があり、矛盾があるのが、人と組織の問題であり、意思決定の問題である。半分は完全に同意し、残り半分はひたすら学ばせてもらった。著者のアツい魂が読み手に伝わり、読んだ者の魂も猛烈に奮い立つ本である。オススメ!