中村融&山岸真『20世紀SF 1960年代 砂の檻』

20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)

20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)

『SFが読みたい!』でも紹介されていた年代別のSFアンソロジー。シリーズ第三弾は1960年代。この時期は「ニュー・ウェーヴ」運動がSFの可能性を拡大したらしい。そもそも「ニュー・ウェーヴ」運動自体、何のことだかよくわかりませんけども!
さて、収録作は以下の14篇。

ロジャー・ゼラズニイ「復讐の女神」
ハーラン・エリスン「『悔い改めよ、ハーレクィン!』とチクタクマンはいった」
サミュエル・R.ディレイニー「コロナ」
アーサー・C.クラーク「メイルシュトレーム2」
J.G.バラード「砂の檻」
ケイト・ウィルヘルム「やっぱりきみは最高だ」
R.A.ラファティ「町かどの穴」
トーマス・M.ディッシュ「リスの檻」
ゴードン・R.ディクスン「イルカの流儀」
ラリイ・ニーヴン「銀河の<核>へ」
ロバート・シルヴァーバーグ「太陽踊り」
ダニー・プラクタ「何時からおいでで」
ブライアン・W.オールディス「讃美歌百番」
ジャック・ヴァンス「月の蛾」

個人的にはジャック・ヴァンス「月の蛾」が良かった。意識的に文化人類学的なアプローチで書いているそうだが、これは確かに参与観察そのものである。意外な取り合わせのようにも思えるけれど、文化人類学的なアプローチでSFを書く作家は多いそうだ。
20世紀SF〈1〉1940年代―星ねずみ (河出文庫)  20世紀SF〈2〉1950年代―初めの終わり (河出文庫)  20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)
20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女 (河出文庫)  20世紀SF〈5〉1980年代―冬のマーケット (河出文庫)  20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 (河出文庫)