菅浩江『プリズムの瞳』

プリズムの瞳

プリズムの瞳

『SFが読みたい!』で紹介されていた本。
『永遠の森 博物館惑星』の著者によるSF連作短編集でもある。
かつて大きな期待を集めたが、今では各地を放浪して絵を描くだけの存在となった人型ロボット「ピイ・シリーズ」をモチーフとしている。菅浩江という作家は、「博物館」といい、「用済みとなった人型ロボット」といい、妙に郷愁を誘うモチーフを選んでくるねえ。博物館はともかくテクノロジーを郷愁と共に語るというのは、一歩間違えると陳腐極まりないモチーフなのだが、きちんとまとめて読ませてくれるあたり、巧いよなあと思う。