『リトル・ダンサー』

リトル・ダンサー DTSエディション [DVD]

リトル・ダンサー DTSエディション [DVD]

俺はあまり映画に詳しくないのだが、その中では、俺が最も好きな映画のひとつ。原題は『Billy Elliot』だが、俺は邦題の『リトル・ダンサー』の方が好きだな。
舞台は、1984年のイギリス北部の炭鉱町。ボクシングを習っていた少年が、たまたま同じ場所で練習していたバレエに夢中になっていく――というアウトライン。これは少年の成長の物語であり、家族の絆の物語であり、衰退していく炭鉱町を描いた物語であり、イギリスの経済格差の物語であり、そして「バレエなんて女がやるものだ」という偏見に立ち向かう物語である。実に深い。
特に、様々なものに「がんじがらめ」になっている少年が、感情を爆発させて踊る様、そしてクライマックスでポツリポツリと――そして次第に熱を帯びて語り出す言葉は、本当に凄まじい。体が痺れ、魂が震え、そして観る度に涙が流れるのである。これは観ないと本当に後悔する。