『428 〜封鎖された渋谷で〜』@PSP

いわゆる「サウンドノベル」というジャンルのゲーム。ゲーマー(読者)は文章を読んでいき、途中で出てくる選択肢によってゲームのストーリーが変わっていくというもの。代表作としては『弟切草』『かまいたちの夜』『街』などが有名だが、裏を返せばその3作以外に有名な作品は思いつかず、完全に廃れたジャンルだと思い込んでいた。でも実は地道に作られていたらしい。本作を知り、気分転換になればと思い購入。

……気分転換以上に激ハマりです!

複数の登場人物を操ることで、ある登場人物の選択が(本人の未来だけでなく)他の登場人物の未来まで影響を与えてしまう――というコンセプトが、実に秀逸。「バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)」や「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないが、こうした皆の選択が積み重なって未来が形作られていくため、プレイヤー(俺)の選択も慎重にならざるを得ない。

ゲームと言うものはそもそも「面白い娯楽」であるべきで、その面白さの源泉はアイデアでもストーリーでもゲームシステムでもグラフィックでも何でも良い。本作も決して「高度なグラフィック」ありきのゲームではないが、面白さは最上級である。質の高いサウンドノベルは今後もプレイしてみたい。とりあえず『街』のPSPでの復刻版をプレイしてみようかな。