山崎紗也夏『シマシマ』1巻

シマシマ(1) (モーニング KC)

シマシマ(1) (モーニング KC)

沖さやか→山崎さやか山崎紗也夏ペンネームを変遷させてきた作者による最新作。山崎紗也夏については、今は無きヤングサンデーに沖さやか名義で連載された『マイナス』の頃から結構好きな漫画家である。『はるか17』だけは途中で読むのをストップしたけれど、これまで『ラブ・ゾンビ』『ななコング』『マイナス』『マザー・ルーシー』『フローズン』『NANASE』『東京家族』と、ほぼ全部のコミックスを購入して読んできた。まあ今は『東京家族』と『シマシマ』以外は手放してしまったものの、概ね「良い読者」と言って良いだろう。
作風は結構バラエティに富んでいる。例えば、沖さやか時代はかなり過激な描写もあったのだが、俺が一番好きな『東京家族』なんかは(多少の毒を織り交ぜつつも)現代的なホームドラマだし、『NANASE』は筒井康隆『七瀬ふたたび』を下敷きにした原作モノだ。結構な人気を博した『はるか17』はアイドルモノである。そして本作は、何と「添い寝屋」と来た!
主人公のシオは、アロマエステ「グリーン」のオーナーだけでなく、眠れない女性達に「添い寝」相手の男を派遣する「ストライプ・シープ」の店長でもある――という設定。もちろん「添い寝屋」なので、セックスはしない。そんなビジネスが本当に成り立つかどうかはわからないけれど、ニッチという意味ではニーズはあるかもしれないなあ。俺も心身共に最近とても疲れているので、そうしたサービスが現実に存在したら、一度受けてみたい気もする。