一条真人『Androidスマートフォン「超」ビジネス活用術』

Androidスマートフォン「超」ビジネス活用術 ?厳選アプリを使い倒す!クラウドを味方にする! (デジタル仕事術)

Androidスマートフォン「超」ビジネス活用術 ?厳選アプリを使い倒す!クラウドを味方にする! (デジタル仕事術)

もう5年近くウィルコム一筋だったが、少し前、ついにXperiaを購入した。
5年ぶりにドコモのユーザーになったのである。
このエントリーは、ウィルコムの極私的な「墓標」と言って良い。

ウィルコムユーザーとなった経緯

ウィルコムのことを初めて意識したのは、鈴木貴博『逆転戦略』を読んだ頃である。
逆転戦略 ウィルコム-「弱み」を「強み」に変える意志の経営
過去の経緯から、PHSなんて携帯電話の廉価版くらいにしか思っていなかったが、ウィルコムは、通話定額・通信定額という2つの限定された(しかし俺にとっては必要十分な)武器を備えていた。訳のわからない料金プランに溢れていたドコモ・ソフトバンクauと違って「ウィルコム定額プラン」しか選択の余地がなかったのも良かった。3大キャリアと違った「知る人ぞ知る」的な選択肢なのも良かった。
ドコモユーザーだった俺は、迷わずウィルコムに乗り換えた。

いざ使ってみると……

いざ使ってみると、鈴木貴博『逆転戦略』で書かれていたように、ウィルコムは音声がクリアだった。携帯電話とウィルコムではアンテナの設置方式が全く違うのだが(マクロセル方式とマイクロセル方式)、ウィルコムの採用するマイクロセル方式は音質がクリアらしい。詳しい理屈はよくわからないが、実感値としては、ドコモのXperiaよりも音質は良い。
また(これも鈴木貴博『逆転戦略』で書かれていたことだが)思った以上に繋がりやすかった。かつて、PHSの繋がりにくさから携帯電話の普及が進んだという歴史的経緯があるため、未だに「PHS=繋がらない」というイメージを持つ方も多いだろう。しかし俺がウィルコムに乗り換えた5年前、既にウィルコムは繋がりやすかった。少なくとも首都圏と関西圏の街中では普通の携帯電話と変わらない。そして、それは今でも変わらないだろう。少なくともソフトバンクイー・モバイルよりは繋がりやすいというのが俺の実感である(仕事で一緒に行動する同僚がソフトバンクを持っており、また会社の携帯がイー・モバイルである)。まあマイクロセル方式の欠点として、高速道路や新幹線の中のような、高速で移動するシーンでは繋がりにくいという事実があるのだが、ただXperiaでも、移動中の新幹線の中ではろくに通話できなかったな。

ウィルコム凋落

ウィルコムに乗り換えてから5年。ウィルコムは覇権を握ることなく、会社更生法に基づく経営再建中というステージまで追い込まれている。いくつもの理由が考えられるが、やはり一番の理由は、通信速度の遅さと機種の貧弱さであろう。
通信定額をウリにしているウィルコムだが、未だに64kbpsや128kbpsという遅さである。これは15年前の固定電話でのインターネット通信方式であるISBNと同等である。しかも機種もヘボいから処理速度も遅い。さらに携帯電話専用サイトに繋げないから、クソみたいなスピードで一般のHPに繋がなければならない。ほとんど拷問である。
機種もヘボい。1年間に数機種しか新機種が出ない上、そのどれもが3年前の携帯電話の機種よりはるかにヘボい。この1〜2年は、新機種そのものが出なくなってしまった。唯一話題になった機種は、通称「エス」や「アドエス」と呼ばれるスマートフォン群であろう。ただしこれも、はっきり言ってiPhoneXperiaと比べると、てんで使いものにならない自己満足レベルである。

Xperiaへの乗り換え

5年使ってみて、ウィルコムの通話性能には今でも大きく満足している。しかし、もはや携帯電話は「電話ができてインターネットが出来ればハッピー」という時代ではない。デジタルガジェットとしての完成度と利用シーンの豊富さがモノを言う時代になったのである。それにウィルコムは決定的に乗り遅れたということであろう。
ソフトバンクホワイトプランが登場し、ウィルコム定額プランの強みがスポイルされた時点で、そのことをうっすらと感じていたのだが、iPhoneの登場でそのことを確信した。別に流行りに追従したいわけではないが、世の中の動きには柔軟に対応できなくてはならない。これ以上ウィルコムに拘泥していても良いことはない……と判断し、ドコモのXperiaに乗り換えることにした次第である。
しかしアレだ、いざ使ってみると、ほとんど浦島太郎状態だね。アプリについては色々チェックしたが、やれることが多すぎて、ほとんどパニックである。最近はやっとネットやメール・一部のアプリを少しずつ使いこなせるようになってきたが、はっきり言ってまだまだだな。
これからじっくりと使っていきたい。
ちなみに、なぜソフトバンクiPhoneにしなかったか? それなりの理由が複数あるが、(しがらみや感情的な理由ではなく)それなりに批評的な理由を挙げるとするならば、iPhoneにおけるApple社の囲い込み戦略が、マイクロソフトのそれに酷似しているということである。今はデジタルガジェットとしての完成度もアプリの豊富さもiPhoneの方が上だが、中長期的にはオープンな戦略を採用するGoogleAndroid陣営の方が勝つのではないか。いや、意外に数年程度で流れが変わるかもしれない。そう考えている。
まあ俺はウィルコムを「先物買い」的に選んだ人間なので、俺の予想の信憑性はゼロだけど……。

本題

「本題」であるべき書籍の紹介が完全におまけになってしまったが、まあよくあるアプリ紹介本である。ただ、いわゆるムック本は、フラットな立場で紹介しているだけだが、本書の場合、著者の思いが多少伝わってくる。他のムック本とは違うアプリを紹介しているケースもいくつかある。

余談

つい先日「誰とでも割」のテストマーケティングが始まったが、大きく情勢が変わることはないだろう。理由は言うまでもない。繰り返しになるが、もはや携帯電話は「電話ができてインターネットが出来ればハッピー」という時代ではない。デジタルガジェットとしての完成度と利用シーンの豊富さがモノを言う時代になったのである。
ウィルコムは、もう通話定額をウリにし続けるしかない。しかし、そこに未来があるのかどうか。