米澤穂信『クドリャフカの順番』

クドリャフカの順番 (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

文化系部活動が活発なことで有名な進学校で、古典部という目的&活動内容が不明な部に入った高校生4人による青春ミステリ。日常の謎というミステリのジャンルである。
今回は「文化祭」が舞台。これまでは主人公の一人称視点だったが、本書では主人公だけでなく、古典部の4人それぞれの一人称視点が楽しめる。著者があとがきで「多視点形式」と書いているが、これは三人称視点ではなく、あくまでも一人称視点を場面ごとに変える技法である。