中野シズカ『星匠』

星匠

星匠

大好きな漫画家の3冊目の単行本。
勝手に「フランス的」と形容したくなるシャレオツな絵柄だが、絵柄面での最大の特徴は膨大な量のスクリーントーンである。まるで工芸作品を思わせる、極めて独創的なものと言って良い。またコマ割りはユルく、漫画のようでありながら絵本を眺めているようにも見える。加えてモノローグも雰囲気のある詩的な言葉で、読んでいて本当にうっとりする漫画である。まず星匠という本のタイトルが良いね。
なお本書は2010年の発表。作風的に大量生産できないのかもしれないが、早く4冊目を出してほしい。

余談

紙の方が雰囲気は出るが、青林工藝舎のHPで立ち読みができる。