インキュベ日記

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岩明均『七夕の国』上下巻

完全版 七夕の国 (上) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)  七夕の国 下
元々は全4巻で出ているのだが、完全版として全2巻で再販されている。文庫でも出ている。
岩明均は『風子のいる店』で連載デビューした後、SF漫画の『寄生獣』でブレイクし、現在は『雪の峠・剣の舞』『ヘウレーカ』『ヒストリエ』といった歴史物の漫画を描いているが、本書は『寄生獣』と歴史物の漫画の間の時期に描かれた漫画である。
「あらゆるものに小さな穴を空ける」という地味な超能力を持っていた主人公が、ふとしたきっかけで自分の一族のルーツに触れることになり、また様々な人間の思惑に触れることになる……というアウトライン。要はSF漫画と歴史漫画のハイブリッドなのだが、SF漫画から歴史漫画に活動の軸足を移す岩明均のキャリアと見事に符合するターニングポイント的な位置づけの漫画であるという点で、実に興味深い。もちろん作品自体も凄く面白いんだけどね。