筒井康隆『時をかける少女』

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

片っ端から映画化・テレビドラマ化・漫画化されてきた、泣く子も黙る超名作を初めて読んだ……のだが、思っていた以上に淡い。実に控え目だ。俺の中では、勝手に「天城越え」くらいの大クライマックスが待ち受けているものと想像していたのだが……。しかし余韻が深い。やや物足りないようにも思える淡い感情の揺らぎが、作り手の想像力を刺激するのかもなあ。