筒井康隆『メタモルフォセス群島』

メタモルフォセス群島 (新潮文庫 つ 4-12)

メタモルフォセス群島 (新潮文庫 つ 4-12)

タイトルから『旅のラゴス』に近いファンタジー風味の作品を勝手に想像していたのだが、とんでもない!
純粋な恐怖・純粋な狂気・純粋なパニック、それらを濃縮抽出して読者の首元に突きつけた、筒井康隆にしか書けない猛毒小説である。多彩な作風を誇る筒井康隆の中でも、かなり毒性の強い作品だと思うなあ。圧倒されてしまった。