インキュベ日記

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マーセル・セロー『極北』

極北

極北

帯や巻末の解説(本書の翻訳者でもある村上春樹が書いている)にも内容の説明が一切ないように、あまり事前の情報がなく読み進めた方が面白いタイプの小説である。あまり予想していない方向に話が進んでいった。
しかし極北(FAR NORTH)とはなかなか示唆的なタイトルである。主人公は書名の通り極北に住んでいるのだが(このくらいは本屋の立ち読みでわかる範囲だから書いても構わないだろう)、極北とは何か、考えさせながら読んでしまった。そしてセローが言う極北のイメージがおぼろげながら掴めたとき、既に俺は物語世界に全身まで引きずり込まれていたのである。