インキュベ日記

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『世界は言葉でできている』

世界は言葉でできている Book Edition

世界は言葉でできている Book Edition

偉人が残した名言の一部を空欄にした「お題」を出して、回答者は実際の名言を超える言葉を生み出す……という趣旨の深夜番組の内容の書籍化。大喜利のように笑いを取る人もいれば、その偉人が実際に言ったであろう名言を予想して書く人もいる。回答者自身の思想を色濃く反映した回答もある。なかなか味わい深いテレビ番組だったのだが、書籍で読むと正直そんなに面白くないなあ。深夜帯の独特の安っぽさや、出演者同士の掛け合い、森本レオのナレーションがあってこその面白さだったようだ。
でもまあ書籍で読み返してみて、とりあえずフランソワーズ・サガンの名言は良かったな。

ユーモアを持つための第一段階は
自分自身を嘲笑うことだと思います

俺は他人を馬鹿にしたりしつこく弄ったりして笑いを取ることはない。面白いとは思わないし、下品だと思うからである。俺自身の失敗やネタを開陳して笑いにする。自らそうしたネタを提供して自分を笑ってもらうとき、笑われているようで笑わせているような、独特な面白味が生まれるし、自分のことであれば遠慮も必要ないからである。それに大して成功しているとは言えない俺の人生も、日々のエピソードが他人の笑顔を生み出していると思えば、救いもあるというものだ(もちろん俺は別に聖人君子ではないので、他人を馬鹿にすることも悪口を言うこともある。他人のふんどしでウケは狙わないというだけである)。
なおテレビの世界で言うと、「自分」をネタにして笑いを取るタレントで、俺が今特に好きなのは、アンタッチャブルザキヤマ山崎弘也)とローラである。二人とも、他人を馬鹿にしたり弄ったりして笑いを取ることは皆無と言って良い。素人弄り・芸人弄り等、MCになって他人を弄ることで笑いを生み出すことが芸能界で生き残る秘訣のひとつになって久しいが、その意味でザキヤマやローラのような人材は貴重である。

余談

この番組、いつの間にか観なくなったなあ……と思ったら、どうもゴールデンで放送されているらしい。しかも調べてみると視聴率的には大惨敗。早急に打ち切りになるだろう。テレビ局の人たちは本当に馬鹿だなあと思うのはこんな時で、ろくに考えもせず深夜番組をゴールデンに「昇格」させるのは本当にやめてほしい。こんなのゴールデンで流行るとは思えないってすぐにわかると思うんだが、もうそうした感性も錆び付いているんだろうな。平日の夜8時じゃ俺は観られないし、そもそもこういう番組は深夜でひっそりとやるから面白いのに……。まさにコンテンツの無駄遣いで、こんなことをするから面白い番組が余計に少なくなる。せめてゴールデンで失敗した番組を深夜に再度「降格」させ、引き続き放送してほしい。