インキュベ日記

書評2700冊・漫画評4000冊・DVD評400枚の「質より量」な記録サイト(稀に質も重視)

遠藤浩輝『オールラウンダー廻』9巻

オールラウンダー廻(9) (イブニングKC)

オールラウンダー廻(9) (イブニングKC)

打ち込めるものを探して「修斗」という総合格闘技に取り組むようになった普通の高校生である主人公(メグル)が、地味な練習をいっぱいして、色々と考えて、周囲の大人や仲間に支えられながら、少しずつ強くなっていくという格闘技漫画
修斗は実在する総合格闘技の競技名であり、本作は必殺技も超能力も怪物もロボットも世界の危機も天使も悪魔も血の運命も登場しない、いわゆる「フツー」な格闘技漫画である。そしてメグルには恵まれた身体能力も特別な才能も無く、アマの試合デビューから2連敗するほどである。
しかし、粗雑ながらも得難い練習仲間、ライバル、厳しくも優しい指導者たちに支えられたメグルは、適度に息抜きをしながらも修斗にのめりこみ、プロに負けないほどの練習をひたむきにこなしていく。そうした周囲の支えと自分の努力が少しずつ、そんなもの無いよと思っていた自分の才能を採掘し、磨き上げていく……つまり、とことんリアルな漫画なのである。「人は一人では強くなれない」というキャッチコピーが胸を打つ。
さて9巻だが、アマチュア修斗の関東選手権トーナメントで予選敗退したメグルが、周囲の人々に支えられながら再起を図り、今度は関西選手権トーナメントに出張参戦して、全国大会への切符を獲得すべく試合をする……というアウトラインである。地味なんだけど、今イチバン面白い漫画のひとつと言って良い。