ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』全20巻

機動警察パトレイバー』『究極超人あ〜る』『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』などを描いた漫画家によるSF長編漫画。元々は80年代に描いていた『鉄腕バーディー』という未完の作品を、セルフリメイクという形でゼロから描き直したのが本作に当たる。アニメ化もされるなど一定の人気を博したが、今度はアニメ放映中に掲載誌のヤングサンデーが休刊したことで、ビッグコミックスピリッツに移籍して『鉄腕バーディーEVOLUTION』として連載を続ける……という、なかなか複雑な身の上の漫画である。しかし内容は文句無しに面白い。

宇宙から指名手配犯を追って地球にやって来た連邦警察のアルタ人女性警察官・バーディー・シフォン・アルティラと、彼女の失敗により致命傷を負い、体の修復を待つ間の措置としてバーディーの体に意識を移された地球人の少年・千川つとむの2人を主人公とした「二心同体」のSF漫画作品。

Wikipediaを引用したが、設定も(ありがちではあるが)なかなか複雑だ。主人公の千川つとむは、宇宙人のバーディーの体に意識のみを移されているのだが、バーディーが眠っている時やバーディーが譲っている時は、つとむはつとむの外見で日常生活を送ることも可能である。また、つとむの外見でバーディーが活動することも可能……と、この辺りは「百聞は一見に如かず」で、説明するよりも漫画を読んでもらった方が早いタイプの複雑さと言って良い。漫画では、あまりくどくどしい説明は最小限に抑え、ストーリーの中でスッと理解できるようになっている。
まあ「読め!」ってことですね。