鈴木光司『リング』

リング (角川ホラー文庫)

リング (角川ホラー文庫)

リング (角川ホラー文庫) らせん (角川ホラー文庫) ループ (角川ホラー文庫)
映画やテレビ番組など様々なメディアミックスが展開された、もう20年も前に発売されたホラー小説である。俺自身この本は15年以上前に読んでいたが、この手の本はオチを知ってしまうとあっけないもので、つまらない作品だ……と記憶していた。何だかんだでテレビや映画でも作品に触れたし、貞子の強烈なキャラクターは何度となく他の作品でパロディー的に言及されている。今さら読み返したところで、得るところはないだろう……そう思っていたのである。
しかし冷静に考えると、これよりも下らない小説やテレビ番組は星の数ほど生み出されてきたよなとも思う訳で、それならと久々に読み返してみた結果、今読んでも新鮮で極めて面白い作品であった。俺にはどうもブームになった作品を無意識のうちに嫌悪してしまう傾向があるのだが、オチは知っているはずなのに、ハラハラする。なお『リング』は続く『らせん』と『ループ』で三部作を形成している。『らせん』はともかく『ループ』は(大どんでん返しがあったことを除いて)細かいストーリーをほとんど覚えていないので、かなり楽しめそうだ。