森博嗣『人形式モナリザ』

人形式モナリザ Shape of Things Human (講談社文庫)

人形式モナリザ Shape of Things Human (講談社文庫)

元・旧家の令嬢にして離婚経験のある一児の母であり自称科学者でもある探偵役の瀬在丸紅子(とその友人である保呂草潤平・小鳥遊練無・香具山紫子)が遭遇・解決した事件を、探偵でもある保呂草潤平が回想として記述する「Vシリーズ」の第2弾。「Vシリーズ」の第1巻では大どんでん返しがあるので、実質的には本書が「お馴染みのメンバー」で解決した最初の事件ということになる。
今回は練無の夏休みのアルバイト先であるペンションに遊びに行ったVシリーズの面々が、ペンションで事件に遭遇する……という設定。まあミステリの導入としてはありがちな設定だが、紅子の元夫(刑事)やその愛人(刑事)が出て来て、Vシリーズの主要な人間関係が明確になるという意味では重要な作品。