森博嗣『赤緑黒白』

赤緑黒白 (講談社文庫)

赤緑黒白 (講談社文庫)

元・旧家の令嬢にして離婚経験のある一児の母であり自称科学者でもある探偵役の瀬在丸紅子(とその友人である保呂草潤平・小鳥遊練無・香具山紫子)が遭遇・解決した事件を、探偵でもある保呂草潤平が回想として記述する「Vシリーズ」の第10弾にして完結編。
いやー、驚いた。
以下ちょっとネタバレになるが、シリーズ全体の印象をひっくり返す壮大な仕掛けが本作には埋め込まれており、Vシリーズに抱いていた不満が一気に吹っ飛んだ。正直に言うとあの少女があの人物であることはわかったのだけど、「林」さんのこととか、「へっ君」のこととか、全く気づかなかったなあ。本作で「黒」の事件が起こったとき、爺さんも練無も紫子も携帯電話を使わなかった、何でだろと思ったのだが、その理由も一緒に判明。
次の「四季シリーズ」にも期待。