芝村裕吏『富士学校まめたん研究分室』

「アラサー天才工学系女子」が小型ロボ戦車を開発しつつ恋愛もしつつ……という、ありそうでなさそうな展開のSF。小説を読むのはかなり久々だったが(少なくとも今年に入ってからは読んでいない)、本書は適度にハッタリが効いていて、かなり楽しめた。
良いところは、開発者目線でステップを踏んでロボットが開発されていくところかな。一般的ビジネスパーソンの一人として、読んでいて非常にリアリティがある。イマイチなところは、序盤の、いかにもライトノベルラノベ)的な、うだうだした主人公のモノローグや会話文を中心に物語が展開するところである。特に序盤は読み進めるのが苦痛だった。しかし途中からはロボ戦車の開発が具体化するので、あまり気にならなくなる。