冨明仁『ストラヴァガンツァ』1〜2巻

ストラヴァガンツァ-異彩の姫- 1巻 (ビームコミックス) ストラヴァガンツァ-異彩の姫- 2巻 (ビームコミックス)
ハルタ』という雑誌(昔は『Fellows!』という雑誌名だった)を中心に活動している漫画家の最新作。
ハルタらしい……と言えばわかる人はわかると思うのだが、ハルタ森薫・入江亜紀・笠井スイといった妙に画力の高い人が揃っているのだが(宮田紘次もかな)、彼ら・彼女らは絵の巧さに加え、フェティッシュである。冨明仁もそういう意味ではハルタの「主流派」と言って良いかもしれない。
この人は、わりに(というか相当)フェティシズムを前面に押し出していて、建物や小物の質感や、若い女性の肌のしっとりとした質感、尻の重量感、腿裏(ハム)のライン……何度読んでも「それ」が描きたくて漫画を描いているんだろうなーという。まあ「漫画」よりは「描写」に命を賭けているタイプである。
本書もまあ良くも悪くもその傾向はビンビン伝わってくるのだけど、2巻から大きくストーリーが動いてきて、ファンタジーとしてもけっこう面白くなってきた。3巻も買おう。