いがらしみきお『ぼのぼの』1〜10巻

奇才・いがらしみきおによる、森に住む動物たちを描いた四コマ漫画
Wikipedia曰く「不条理ギャグと哲学とほのぼのが融合した、独特の作風」とのことだが、言い得て妙である。タイトルであり主人公(ラッコ)の名前でもある「ぼのぼの」は当然「ほのぼの」から来ているが、単なる「ほのぼの」だけでない深みがある。
と言っても1巻〜7巻ぐらいまでは、個人的には初期作品だなぁと思う。初期作品に熱烈なファンがいることも知っているが、シマリスはほとんど「いぢめる?」としか言っていないし、ぼのぼのの表情や考え方は後期になるほどバリエーションに富んでいる。
私はかなり久々に(10年以上ぶりか?)『ぼのぼの』を手に取ったのだが、しばらくは「あんなにハマっていた割には「まあまあ」だなぁ」と思いながら読んでいた。しかし8巻の途中でふと気づくと、私は笑い、そして泣いていた。
独特の余韻がたまらない作品。