廣野由美子『批評理論入門』

『フランケンシュタイン』を題材に批評理論、もっと言えば小説とは何かや小説の読み方を解説する本。
本書と一緒に『フランケンシュタイン』も買ったのだが、先に本書を読んでしまった。しかし本書単独で読んでも特に問題ないと思う。
以下に目次を示すが、本書の前半は「小説技法編」で、後半は「批評理論編」となっており、それぞれ13と15のトピックを並べている。小説技法であれば「焦点化」などはこれまであまり見たことがなく印象深かったかな。批評理論編は全体的に面白かったが、やはり「文体論的批評」や「透明な批評」はあまり聞いたことがなかった。また精神分析批評のサブカテゴリに「神話批評」が入っていたり、フェミニズム批評とジェンダー批評が分かれていたりする点など、あとから目次を読み返すだけでもそれなりに発見がある。

  1. 小説技法編
    1. 冒頭
    2. ストーリーとプロット
    3. 語り手
    4. 焦点化
    5. 提示と叙述
    6. 時間
    7. 性格描写
    8. アイロニー
    9. イメジャリー
    10. 反復
    11. 異化
    12. 間テクスト性
    13. メタフィクション
    14. 結末
  2. 批評理論編
    1. 伝統的批評
      1. 道徳的批評
      2. 伝記的批評
    2. ジャンル批評
      1. ロマン主義文学
      2. ゴシック小説
      3. リアリズム小説
      4. サイエンス・フィクション
    3. 読者反応批評
    4. 脱構築批評
    5. 精神分析批評
      1. フロイト的解釈
      2. ユング的解釈
      3. 神話批評
      4. ラカン的解釈
    6. フェミニズム批評
    7. ジェンダー批評
      1. ゲイ批評
      2. レズビアン批評
    8. マルクス主義批評
    9. 文化批評
    10. ポストコロニアル批評
    11. 新歴史主義
    12. 文体論的批評
    13. 透明な批評