エイドリアン・J・スライウォツキー+デイビッド・J・モリソン『プロフィット・ゾーン経営戦略」

プロフィット・ゾーン経営戦略―真の利益中心型ビジネスへの革新

プロフィット・ゾーン経営戦略―真の利益中心型ビジネスへの革新

  • 作者: エイドリアン・J.スライウォツキー,デイビッド・J.モリソン,Adrian J. Slywotzky,David J. Morrison,恩蔵直人,石塚浩
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1999/08
  • メディア: 単行本
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ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
企業が持続的に儲かるためのビジネスモデル、すなわち利益モデルをパターン別に整理して解説した本。同じ著者(スライウォツキー)が利益モデルをビジネス小説風に解説した『ザ・プロフィット』という本もあるが、本書の方がより解説が詳しい。

本書で解説されている22の利益モデルは以下。

  1. 顧客開発/顧客ソリューション利益モデル
  2. 製品ピラミッド利益モデル
  3. マルチコンポーネント利益モデル
  4. スイッチボード利益モデル
  5. 時間利益モデル
  6. ブロックバスター利益モデル
  7. 利益増殖モデル
  8. 起業家利益モデル
  9. 専門家利益モデル
  10. インストール・ベース利益モデル
  11. デファクト・スタンダード利益モデル
  12. ブランド利益モデル
  13. 専門品利益モデル
  14. ローカル・リーダーシップ利益モデル
  15. 取引規模利益モデル
  16. 価値連鎖ポジション利益モデル
  17. 景気循環利益モデル
  18. 販売後利益モデル
  19. 新製品利益モデル
  20. 相対的市場シェア利益モデル
  21. 経験曲線利益モデル
  22. 低コスト・ビジネス・デザイン利益モデル

なお本書を書いた時には22だったが、『ザ・プロフィット』では「デジタル利益モデル」という23番目の利益モデルが追加され、全部で23の利益モデルとされている。この辺は時代を感じさせて面白い。
ひとつは、本書(プロフィット・ゾーン経営戦略)が発売されたのは1998年で、『ザ・プロフィット』が発売されたのが2002年と、まるで仕組んだようにITバブルの高潮から崩壊までを2冊でサンドイッチしている点。Wikipediaへのリンク(インターネット・バブル - Wikipedia)を張っておくが、非常に示唆的である。
もうひとつはIT化により実現される利益モデルを「デジタル利益モデル」とひとつにくくってしまっている点。2014年現在なら、スライウォツキーはデジタル利益モデルを更に細分化するのではないだろうか。