インキュベ日記

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山口周『外資系コンサルのプレゼン術』

著者の『外資系コンサルのスライド作成術』という本が凄く良くて、購入以来何度も読み返しているのだが、最近本屋に『外資系コンサルのスライド作成術 [作例集]』という新刊が本屋に並んでいた。気になって著者名でAmazonで検索してみると、他にも色々と本を出している。しかもどれも面白そうだ。これからまとめて山口周の著書を読んでみようと思う。
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック 外資系コンサルのスライド作成術 作例集: 実例から学ぶリアルテクニック
さて、本書は極私的「山口周フェア」の第一発目で、プレゼンに関する本である。紙の本に換算するとわずか20ページしかない電子書籍なのに、昔の著者が「君はプレゼンが巧すぎる」と褒められたという自慢話から始まり、ディレクターやパートナーといったコンサルティングファーム出身者にしかわからない役職(タイトル)が説明なく登場し、プレゼンの巧さ(?)を「わかりやすさ」と「クールさ」の二軸のマトリックスで解説し始めた時は、正直「買って損したかな」と後悔しかけた。しかし本題の「サンドイッチ・メソッド」自体は参考になる。
著者の主張は、要は格好良いプレゼンでなくても良いから、「冒頭説明(そのスライドが何について説明するものか)」「結論と根拠」「まとめ(スライドで伝えたいこと)」「つなぎ(次のスライドへのつなぎ)」の4つを全スライドで愚直に述べていけというものである。この4つだけを各スライドで愚直に述べることで、聞き手もわかりやすいし、話し手の準備工数も大幅に削減することができるというメリットがある(ページごとに説明の仕方を変えようとするからプレゼンの準備に多大な時間がかかるのだ)。
思い返すと、一般には、「結論と根拠」と「まとめ」は多くのプレゼンターが説明するのに対して、「冒頭説明」と「つなぎ」は話さない人が多い。しかし各スライドの冒頭で、このスライドが何なのかを話さないプレゼンは、どこを見たら良いのか、どんな姿勢で聞いたら良いのかがわからず、結果プレゼンもわかりづらいものになることが多い気がする。
また私自身、冒頭でスライドの位置づけやグラフの見方などは説明するものの、次のスライドとのつなぎの言葉はあまり入れたことがなかった。しかし、その「つなぎ」の言葉をプレゼンしないということは、聞き手がストーリー(次のページとのつながり)を理解できず、仮に前のページの主張を理解できても、次のページで取り残される可能性が増えてしまう。
個人的には、なかなか有益だった。