中村和彦『入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる』

入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる (光文社新書)

入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる (光文社新書)

著者は組織開発(OD: Organization Development)について学べる入門書がないという趣旨のことを書いていた。
振り返ってみると、研究者や経営者が自説や持論をまとめた本は多い。コンサル系企業がノウハウを整理した本も多い(不十分ではあるが学術的な成果が紹介されているものもある)。人材開発と組織開発をセットでくるんで論じた本も結構ある。また、アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI: Appreciative Inquiry)やアクション・ラーニング、オープン・スペース・テクノロジー(OSG: Open Space Technology)、ワールド・カフェといった個別の組織開発の考え方や手法を解説した本もある。

ジョン・P・コッタ― 実行する組織―――大企業がベンチャーのスピードで動く (Harvard Business Review Press)  組織改革―創造的破壊の戦略 どうすれば本当の意味での成果主義が実現できるのか? (Best solution)  組織開発ハンドブック―組織を健全かつ強固にする4つの視点  企業内人材育成入門
ポジティブ・チェンジ〜主体性と組織力を高めるAI〜  実践 アクションラーニング入門―問題解決と組織学習がリーダーを育てる  オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~  ワールド・カフェ~カフェ的会話が未来を創る~
しかし、最新の学術的成果をきちんとフォローし、かつ組織開発分野の全体が俯瞰できる見取り図としてのODの入門書は、これまであまりなかったかもしれない。
あまり面白味のある文体ではないが、その意味では、内容的には目を通しておいても良い本だと思う。