インキュベ日記

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村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 電子特別版』

ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 電子特別版 (文春e-book)

ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 電子特別版 (文春e-book)

村上春樹の久々の紀行文集。

村上春樹は結構な数の紀行文や海外滞在記を出しているのだが、「あとがき」によれば、この旅行についての記事を書かねばと思いながら旅行するのは緊張・疲れがあるそうで、ある時点からあまり旅行についての記事を書かなくなったそうだ。だから本書に収められているものも古いものは20年前(1995年)である。1995年と言えば『ねじまき鳥クロニクル』の第3部が出た年である。世間的には、1月17日に阪神・淡路大震災が、3月20日にオウム真理教によって地下鉄サリン事件が起こった年と言っても良い。一方で、新しいものは今年の9月に書かれたものだ。

こうなると、ちょっとテーマ性には乏しいというか、とりあえず詰め込んだ感は否めないよなあ。もちろん全体的に読みやすくて良いなあと思いつつ、JALの機内誌に書かれたものが大半なだけに、ほとんどが上澄みをさらっと読み飛ばす感じなのもね。個人的に、村上春樹の紀行文や海外滞在記が大好物だからこその不満なのだろうけど。