クロサワコウタロウ『珍夜特急 1 インド・パキスタン』

珍夜特急1―インド・パキスタン―

珍夜特急1―インド・パキスタン―

明らかに沢木耕太郎の名作『深夜特急』のパクりであるw

ただし筆名や書名、ユーラシア大陸を横断するというコンセプトを確かにパクっているとはいえ、ノンフィクションとしてのクオリティは「パクり」呼ばわりされるほど品質の低いものではない。むしろオマージュと言って良いものであろう。巧さのある文章ではないが、読みづらいというほどでもなく、作品を楽しむには必要十分の力量と言って良い。また本家・深夜特急はユーラシア大陸をバスで横断するという破天荒なものだったが、本作も本家・深夜特急に負けず劣らずブッ飛んだものである。何しろユーラシア大陸(出発はインド)を日本から持ち込んだバイクで横断するというものだからだ。

これだけでワクワクする。

この巻はインドやパキスタンという強烈な「異文化」に振り回されるという、まあ読む前から想像のつく展開ではあったものの、それでも楽しかった。あれだね、インドという国は変わらないね。沢木耕太郎が旅をしたのは1970年代前半だと思われるが、本作が書かれた1999年でも、インドの様子は全く一緒である。人間の本質は変わらないということなのかも。

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