山根節『「儲かる会社」の財務諸表 48の実例で身につく経営力・会計力』

会計力を身につけるのに必要なことは(『○時間でわかる会計』といったお手軽な本を読むのではなく)数多くのリアルな財務諸表と格闘することだ、しかし細かい数値や細かい項目は端折って幹の部分から理解すべきである……というのが著者の主張だ。そうしたアプローチないしそれらのアプローチで身についた能力を著者は「アバウトな会計力」と呼んでいる。

(アバウトな)会計力を身につけるためのポイントは5つ。
① 本物の財務諸表をできるだけたくさん読む
② ビジュアルで大ぐくりにとらえ、数字はどんぶり勘定、アバウトで
③ BSとPLが先決、CFSは後回し
④ わからない専門用語はとりあえず無視
⑤ 現場・現物・現実の情報とリンク

そして、これらポイントを押さえて会計力を身につけるための方法が「本書」であり、本書で記載されている、実際の財務諸表を金額の大きさに合わせてその比率がわかるように変換した「比例縮尺財務表」である……という構成である。

一冊を読み終えても会計力が上がった気はあまりしないのだが、一社ずつの財務諸表と格闘する必要がある点は何となく理解した。