- 作者: ジム・コリンズ,ジェリー・I.ポラス,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 1995/09/26
- メディア: 単行本
- 購入: 33人 クリック: 196回
- この商品を含むブログ (276件) を見る
何はともあれ以下を引用しておきたい。
収益力は、会社が存在するために必要な条件であり、もっと重要な目的を達成するための手段だが、多くのビジョナリー・カンパニーにとって、それ自体が目的ではない。利益とは、人間の体にとっての酸素や食料や水や血液のようなものだ。人生の目的ではないが、それがなければ生きられない。
なお個人的には、メルクのエピソードが気に入っている。本書を最初に読んだときは毎日のように「とにかくカネ」と言われていたため、ことさら響いた。
メルクが「糸状虫症」治療薬「メクチザン」を開発し、無料で提供した(略)
メルクがこの決定を下した理由を聞かれたとき、バジェロスCEOは、このプロジェクトを進めなかったら、メルクの科学者、「人々の生命を維持し、生活を改善している仕事をしている」と自負する企業で働く科学者の士気が低下していただろうと指摘している。そして、こう語った。
十五年前、日本をはじめて訪れたとき、日本のビジネス関係者に、第二次世界大戦後、日本にストレプトマイシンを持ち込んだのはメルクで、その結果、蔓延していた結核がなくなったと言われた。これは事実だ。当社はこれで利益をあげていない。しかし、今日、メルクが日本でアメリカ系製薬会社の最大手であるのは、偶然ではない。長い目で見ると〔こうした行為の〕結果は、必ずしもはっきりとは表れないが、なんらかの形で必ず報いられると思っている。