田端信太郎『ブランド人になれ!』

ブランド人になれ!  会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book)

ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book)

トム・ピーターズの『ブランド人になれ!』に触発されて書いた本らしい。

この人のことは正直「よくTwitterで炎上している人」「LINEとZOZOの人」ぐらいの知識しかなかったのだが、表紙の顔とポーズが面白すぎたので買ってみた。内容としては単なる自己啓発本なのだが、言っていることは間違っていないなと思った。

例えばわたしのようなコンサルタントは、著者の言うようにどこまで行っても黒子であり、自分の成果を世に誇ることができない。そして本来「それで良い」と思う人がコンサルタントをやるべきだと思う。ただ仕事の面白さと社会的意義だけに惹かれて働く「抑制されたプロフェッショナル」という人種、それがわたしにとってのコンサルタント像なのだ。

しかし現状、コンサルタントという職業はどうやら広告代理店の営業マンのような「華やかなもの」だと思われている。とんでもない。そのような華やかさは会社のブランドを借りているだけの表面的な現象である。真のブランド人は会社のブランドを離れて自分の名前で勝負している。この著者のように。わたしは(ブランド人に憧れているが)ブランド人ではない。黒子であることを受け入れてしまっているからだ。

将来的にはCOOとして、あるいはターンアラウンドマネージャーとして事業を手がけてみたい、会社のPLに直接的なインパクトを与える仕事をやってみたいと密かに思ってきたわたしにとって、この著者のハッタリ力と、それをテコにした推進力というのには、けっこうな刺激を受けた。そして考えさせられた。コンサルタント生活を続けても面白いことはできる。しかしそれはどこまで行っても黒子としての面白さなのだ。