茂木誠『世界史とつなげて学べ 超日本史』

世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史

世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史

文字通り、世界史と繋げて日本史を学ぶというコンセプトの本。

結局、中国と朝鮮とスペインとポルトガルという感じで、ところどころ面白いんだけど、全体としては正直あまり目新しいものは少なかった気もする。

個人的には、世界史に日本史を組み込むというスタンスの方が面白いと思った。

著者も書いているように、世界史は各国史の積み上げに過ぎないし、世界史の授業に日本が登場しない。でもトルコの独立には日露戦争の結果が大きな影響を与えたこととか、葛飾北斎が西洋美術に大きな影響を与えたこととか、ジパングへの幻想が西欧諸国を大航海時代に駆り立てたとか、そういう「極東の島国」に過ぎない日本が世界史にどう組み込まれて来たのかをもっと詳しく知りたいなと思った。

あるいは各国を同時代で見るとか。例えば、江戸は当時の世界最大の都市だった(100万人)という話がある。その当時、世界はどうで、なぜ江戸のような鎖国していた小さな島国の都市が世界最大の都市足り得たのか、その辺を日本だけではなく世界の視点から語るとか。まあこれは本書でもある程度実現できているかな。