米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』

儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)

最近ガツガツ読んできた米澤穂信のミステリ。

というかホラーなのかな。あまりジャンル云々の話に入り込みたくはないが。

どれも「バベルの会」という読書サークルが出て来るが、基本的には独立した話だと考えて良い。ただし全て女性が語り手で、さっき「ホラー」と書いたが、怖さというか、おどろおどろしさというか、おぞましさというか、がある。いわゆる「オチ」も、わたしはオチをたいてい見抜けないので、「えっ!」となる作品が大半だった。

あと、「笑い」というほどでもないし、特段面白くはないんだけど、微妙に「ズレ」の要素があるような。Wikipediaによれば、「元々著者はユーモアタッチの作風を想定して執筆していたが、ブラックユーモアとして笑えるものにならなかったため、滑稽味を通奏低音とし奇妙な味や背徳感を前面に出していくという方向性で描かれた」そうだ。