櫻田潤『図で考える。シンプルになる。』

図で考える。シンプルになる。

図で考える。シンプルになる。

『たのしいインフォグラフィック入門』の著者。

本書のポイントは非常にシンプルで、図解思考を身につけるために、使うツールを7つに絞りましょうというものだ。

絞られたツールは以下の7つである。括弧内はわたしの補足。

  1. 交換の図(要するにミステリ小説や漫画とかで出てくる人物相関図)
  2. ツリーの図(そのまんまツリー図)
  3. 深掘りの図(ツリー図と似ているが、上から下に「なぜなぜ」で掘り下げる図)
  4. 比較の図(縦横グラフ、または四象限の図)
  5. 段取りの図(よくあるホームベース型のフロー図)
  6. 重なりの図(色や光の三原色みたいな円と円が一部重なっている図)
  7. ピラミッドの図(そのまんまピラミッドの図)

図解ツールそのものを絞ってしまうのは、わたしも「アリ」だと思う。ただ、7つは多すぎじゃないか。ピラミッド図とか重なりの図とか、まず最初に手にする武器としては使用頻度が少ない気がするし、ツリー図と深堀りの図も関係を階層化している点で、やっていることは似ている。そう考えると、交換の図・ツリーの図・比較の図・段取りの図の4つで良いんじゃないかな。

ま、本書は難しいことにチャレンジしているとは思う。本来はこういう風に与えられたアドバイスを踏まえながら自分に必要なツールを取捨選択すべきものなのだろう。しかしそうではない読者に手に取ってもらい、活用してもらうことを本書は目指しているのである。そうすると、足りないよりは、やや多いぐらいの方が良いという考え方もあり得る。

余談1

ツールのパターンを絞り込むというアプローチは手塚貞治という人が『戦略フレームワークの思考法』という本でも実践している。

incubator.hatenablog.com

余談2

著者は最近、『たのしいスケッチノート』という新刊を出している。Amazonの内容紹介を読むと、インフォグラフィックやグラフィックレコーディング(グラレコ)について触れてあるようだ。気になるので読んでみるかな。

たのしいスケッチノート ―思考の視覚化のためのビジュアルノートテイキング入門

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