角野栄子『新装版 魔女の宅急便 (3)キキともうひとりの魔女』

新装版 魔女の宅急便 (3)キキともうひとりの魔女 (角川文庫)

新装版 魔女の宅急便 (3)キキともうひとりの魔女 (角川文庫)

泣く子も黙るジブリ映画の原作小説、全6巻のうちの第3巻。

2巻以降は既に映画版の「その後」を描いているので、わたし的には初めての物語なのだが、キキは2巻で色々と考えた結果、宅急便だけでなく、キキのお母さんもやっていたくしゃみの薬(風邪薬)を作り始めることになる。自分でやれることを少しずつ増やしていくというのは、ありがちだが、王道で、心に響いた。

一方、3巻は、ケケという魔女(のような少女)がいきなり登場する。明確に黒い服を着てほうきで空を飛ぶわけではないけれど、何となく不思議な力を持ち、何となくキキを意識し、キキの心を逆撫でするようなことを言い、トンボにも近づいていくのである。キキもまだ子供なので、あっさりと逆撫でされ、キキの心は日々嫉妬だのイライラだの不安だのに支配されていくのである。

なるほど、キキにとっては1巻や2巻とはまた違う試練だ。

余談

Kindleでは全6冊合本版もある。

新装版 魔女の宅急便 全6冊合本版 (角川文庫)

新装版 魔女の宅急便 全6冊合本版 (角川文庫)